認定看護師などの上級資格の取得を推し進める背景

看護師には、認定看護師や専門看護師など様々な上級資格があります。大学院卒業単位の修得が必要な専門看護師より、実務経験を経て研修を受ければ取得できる認定看護師の資格の方が取りやすい傾向にあるため、多くの看護師がチャレンジしています。

認定看護師になれば、特定分野の高度な看護技術を駆使して、現場の看護職を指導し、相談に乗る立場に立てるようになります。認定看護分野は、救急看護や集中ケアなど21項目に及んでいます。中でも、感染対策の専門家として大規模な感染が生じた際に活躍できる感染管理認定看護師は、社会情勢的にも必要な人材として注目されています。

その1つである感染管理認定看護師は、感染対策に関する高度なスキルを生かし、医療関連感染サーベイランスを実践したり、感染予防の対策を講じたりします。日本看護協会は、感染管理認定看護師の拡充に力を入れており、A課程認定看護師教育機関の定員数の増加とB課程認定看護師教育機関の新規開講に向けて支援している現状があります。ちなみにA課程認定看護師教育機関とは特定行為研修のプログラムがない教育機関を指し、B課程認定看護師教育機は特定行為研修のプログラムがある教育機関のことを言います。

特定行為研修とは、医師の包括的指示さえあれば看護師が独自の判断で医療行為を行える資格のこと。本来、看護師の業務は医師の補助的行為のみ許されており、医師の具体的な指示が無い限り看護師の裁量で医療行為を施すことは認められていませんでした。しかし、高齢化による患者の増加や人材不足の深刻化に伴い、看護師の業務範囲の拡大やスキル向上が求められる形となり、特定行為研修が導入される流れになりました。